瓶/木屋 亞万
 
ていく
薄い毒だ

瓶は私にかけられた呪いだ
誰もコップを差し出してはくれない
誰にも注ぎましょうかと言えないのは
私の果実が成長しないまま傷んだせいだろう
ひとりぼっちの手の中で瓶を転がし眺めている

瓶を持っている
中は満ち溢れている
わたしはまだその注ぎ方を知らない
それがもたらす歓びを知らない
少ないながらそのまま死んでいく人もいる
わたしはきっと目的を果たせずに死ぬ人なのだろう

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