残照、ハンドクラップ!/みい
うち
月が、消えていくのを
みた
誰かなんてほんとうはひとりだ
それがあなたでよかったあ、と気づいたのは
意外にもたった今で
影を
踏まずにはいられなかった
あなたのわらったかお、残照。
*
ハンドクラップがきこえる。
ねこが、あたまをよこぎった。
もう見ないようにしようと思った。
女の子に、信じいよ、とやさしく言った。
自分にも試しに言ってみた。
こんなに聞き分けのない自分ははじめてだった。
まどのそとはくらい。
何万回目の夜なのにはじめてこわいと思った。
ねこをもう一度思いだした。
今度はちゃんと飲み込んだ。
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