夜明け前/涙(ルイ)
 
まいそうで
それが怖くて 休むことさえできないんだ
俺は一体 どこを目指して歩けばいい?


窓の外 酔っ払いたちが小競り合う声がする
向いのマンションの角では
誰かがさっきからずっと ケイタイでしゃべり続けてる
素知らぬフリして街灯が 煌々と夜の闇を照らし続けてる
今夜も眠れそうにない
俺はリモコンを手に取り 
おもむろにステレオの再生ボタンを押した
他にわかりあえるものなどなにもないメロディが流れ出した
暗い部屋の中 耳障りな声を消し去らんがためのメロディが
部屋じゅうに充満していく頃
ようやく俺は 浅い眠りの中へと堕ちていけるんだ





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