空き樽は音が高い/涙(ルイ)
 
どんな花にも花盛りというのがあるという
わたしの花盛りはいつやってくるのでしょう
盛りのないまま朽ち果てていくだけなのでしょうか
哀しや哀し


どうしてこんな濡れた衣を着なければならないのでしょう
一体わたしが何をしたというのですか
あの人はきっとなにか勘違いしているんだと思うわ
あれはわたしがやったんじゃないの
わたしはなにもやっちゃいないのに
それを聞きいれてくれる耳をもう
あの人は持ち合わせてはいないのね
濡れた衣は肌に張り付いて なんて気持ち悪いったらないわ


離れてしまったものほど よく見えることはないわ
あいつはいい奴だっ
[次のページ]
戻る   Point(4)