重力の都/レタス
 
人々は酒に酔い
大声で自慢話しをする
夜は何処までも続き
明日を知ることも無い
アスファルトに涙がこぼれ落ちても
知らないそぶり
人は冷たい

路地裏の猫だけが
ニャァと鳴く

彼らは何処にゆくとも知れず
大声を発する

都会の狭間に迷いながら
己をどうして良いのか
わからないながらも
彼らの呟きは
アスファルトに吸い込まれてしまう

自分の値段を計りにかけて
明日を占うのは
馬鹿げたことなのに
寄り添い
自慢する

この街は人々の涙で地盤をたもっていた
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