忙中閑/
レタス
歳の瀬に
固くしこる肩を抱き
小刀をとり
伽羅を聴く
静かな四畳半に
立ち込める静けさは
生まれる前の記憶を呼び覚ます
一年は走馬燈のようだと
誰かが言った
少しだけ眠くなり
身体を横たえれば
ほんのりと仙境が瞼をかすめた
伽羅に酔い
酒に酔い
歳の瀬を迎え撃つ
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