銚子/レタス
 
忙中閑あり
終末は妻とアイナメを釣りに
銚子へ行こう
ほんとは電車を乗り継いで
銚子電鉄に乗りたいところだが
荷物がかさばるので
車で行くしかない

その昔、
一年間を独りで暮らした銚子は
モロミが薫っていた

ピアソラの哀愁に満ちた
寂しさが染みついた街だった

夜中に這い出ては
港のチャルメラを啜り
涙を流す漆黒に閉じ込められた日々が蘇ってくる

今は満ち足りているので
どうでも構わない

とにもかくにも週末には
美味いアイナメが待っている

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