ジュラルミンの冬/
藤山 誠
冬の暗い夜に
遠くから聞こえくる音は
線路の断末魔である
パソコンの光だけは
部屋に拡がって
四隅の闇に吸い込まれていく
誰も世界につながることはできない
誰も外に出ることはできない
小さくて暗くて冷たい
金属の部屋の中で
壁にいっぱいの落書きを残して
一人裸で死んでいく
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