ひびき/
木立 悟
る
あふれてはあふれては流れ落ちる
歌は響いてゆくだろう
怒りと恐れに満ちるだろう
苦しみと悔やみに満ちるだろう
水たまりの道は湖になり
悲しみの行方を問うだろう
歩む背の行方を問うだろう
寄りそうままに眠る色たち
重なる鉄を過ぎゆく音たち
波へとつづく岩の影は
たなびく光にたなびく影は
異なる朝の文字となり
見えない羽の群れを放ち
見えない約束を書きしるす
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