天秤/為平 澪
 

スマートフォンを 握り続ける
私の当てにならない アクセス先
(その場所を、見つけないでください。)

街には人がいないのだよと マネキンたちが
スマートなスタイルで会話して 私を見下す

ポケットの右側にいれた十字架とはぐれて 
左側のコインに見捨てられた日
身体ごとアスファルトの中に飛び込もうとした夕暮れ

ふるえるように叱ってくれたのは
ルール位置から遠く離れた、壊れた家の
弱さと優しさに泣くしかできない 私の両親

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