天秤/
為平 澪
スマートフォンを 握り続ける
私の当てにならない アクセス先
(その場所を、見つけないでください。)
街には人がいないのだよと マネキンたちが
スマートなスタイルで会話して 私を見下す
ポケットの右側にいれた十字架とはぐれて
左側のコインに見捨てられた日
身体ごとアスファルトの中に飛び込もうとした夕暮れ
ふるえるように叱ってくれたのは
ルール位置から遠く離れた、壊れた家の
弱さと優しさに泣くしかできない 私の両親
戻る
編
削
Point
(11)