たいせつの歌/梅昆布茶
 
込んで蟻の行列を眺めているおかっぱの女の子
いっしょにしゃがみ込んでももうすでに焦点があわない齢
唯々彼女の分析的な感想に感嘆する

柔らかな科学はやさしい生物学を
かあちゃんあんたの表情かたいぜ
もうちょっとゆとりもちなね
胎児がそっと歌う

たいせつを忘れている
機能のバス停できみとかわしたジョークさえもなくして
もう結婚指輪はどこかへいってしまった

いつも終局はさびしい
なんとか収斂させなければならないから

言葉はいつかおわるもので
ぼくもじきにおわるもので

たいせつも終わってしまうが
終わらせないひとがかならず何処かしら居るもので

いつもそんなひとと友達だったようなきがするので

そんな人生をこれからも選ぼうとおもっているのです














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