優しい家/秋也
掴んでついに手に入れた勝利の日も
長かった何かを終え小さな庭の小さな薔薇の花を見つけホッとした安息な日も
あなたたちが幼かった頃
時の流れなんかに無関心でいつも笑顔で
同じく幼い友らと
木の枝 ボール おままごと ぶらんこ すべり台 泥団子
いつも誰かがロケットように噴水させる水飲み場
虹だってつくれた夢のような現実
お腹を空かしても満足と充実しかなかった
昼下がり おやつ時 夕焼け 日暮れ
そんな日だって
いつも笑顔で迎えます
おかえり 久しぶり 昨日ぶり さっきぶり
もうきっと出会っているはずだから
もう何度も立ち寄っている
家の中で君らをずっと待つ
暖かい日には花と緑に溢れた小さな自慢の庭を眺め
時にミルクを落としたコーヒーを一杯
欠伸をしていたらごめんよ
扉が開いたならば
どんな日だって
「いらっしゃい ゆっくりしていって」
戻る 編 削 Point(1)