夜汽車/ガト
 
換気扇がぶっ壊れて
機関車みたいな音がする

台所であなたと目を合わせたら
困ったような笑顔がどこかへ旅立つ

暮らした年月を
思い出させるすべての劣化

年をとったわね


台所を片付けながら
誰にともなく呟く

人間や物の境を越えて過ぎ去る日々

洗いものを止めてうつろう目に
雪の中を走る夜汽車が見えた

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