深海/レタス
 
ゆらり ゆらゆらと
泳ぐ魚たちは
英霊たちとともに深海を彷徨い
拠り所をさがしていた

命の点滅をさがしながら
大きく口を開いては
暗い海底を彷徨う

彼らは決して浮上することなく
闇に暮らし
ほの白く点滅する魂をさがしては
飲み込んでゆく
救いのない存在は
それはそれで至福を享受されていた

闇と光に生きる存在の境界線は
果てもなく
続いている

彼らは水底の歌をうたい
光に住むものたちは
大空の歌を歌う

天国も地獄もありはしない
そこにあるのは
命の明滅だけだった




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