釣瓶落とし/レタス
 

秋の空に
魂が飛んでゆく

澄んだ鋼色の空に
身も心も消えていった

今日の時計ゆっくりと
カチリ カチリ と緩やかに
気怠く秒針は時を刻み続けていた

豊穣の祭りも終わりを告げて
静かな夜が更けてゆき

台所の音を聴きながら
夕餉を待つ

もうそろそろ
冬が近くなる
耳だけが
その便りの識しで
ぼくは新聞にまなこを落とす

昨日、今日、明日、
在ること、無い事、解らないこと、
まるで占いのようだ

ゆっくりと時計は秒針を刻んでゆく







戻る   Point(2)