かや刈り/
そらの珊瑚
離れても
息をしているよ
秋のゆうべ
軽トラックから
降り立つ父母の影は長くのび
かやの匂いがした
蜜柑の木は切られて今はない
なかったことにした山は山へかえるだけだろう
人に刈られなかったかやは
誰の手を傷つけることもないし
仕事もしない
ひたすらに天を求め
あふれるばかりにあふれ
季節風にゆれながら
かやであったことを思い出し
あの山を
かやの山にするつもりかもしれない
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