狂った季節/もり
 
いつか

きみとぼくしか知らない季節があった。

8月は32日あったし、

クリスマスは2週間くらい続いて、

だいたいが春。

気温だっていつも3度、
高かった気がする。

慣れ、ってこわいよ

幸福が致命傷を負わせることだって
あるもの。

今 時差ボケのような頭で

薄着しかないクローゼットにタメ息。

どうしようもなく

冬にウインク、

もう

とっくにアクセルからは手を離したはずなのに

前へ前へと

進んでいく毎日の暮らし。

そんなぼくも

この 狂った季節 に

慣れてしまった頃には、


「きみとの日々は
狂った季節だった」

そうほほ笑んで

ああ

たいしたもんだよ。



戻る   Point(5)