夜行ヘリ/やけのはら/茶殻
 
が去り納屋に
眠る揺り篭、虚数解を含む放物線のハンモック、脱輪して乗り捨てられたわナンバーの助
手席のダッシュボード、児戯にも満たない初めて書いたあまりにも稚拙なポエムの行間、
兎に角とてつもなく愚かなほど強かに生き続けているのだろう。錘を振りほどきかけたメ
トロノームのようにぐらりぐらり星々はまわる。金か時間に殺されるまで、善人の腕の中
で眠ることを覚えてしまえばなべて世はこともなし。神も青春もカーテンコールを受けず
に済むのならそれに越したことはない。天は何処や、したり顔で訊く、胸の裡で組む哲学
も情操もみなプロペラの気流に吹き消されてしまうのだ。

酒の席の翌日は、体質なの
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