いずこから来る人/レタス
 

業火に燃える紅蓮の背中
瞳だけが鮮やかに青色を放つ
地獄を見つめる優しさは彼だけのものだった
蝋燭のように命を燃やし
彼はただ歩く
全ての罪と慈愛を抱きながら
彼は静かに歩いてゆく
何が在ろうとも変わらぬ瞳
人は彼を仏と呼んだ

戻る   Point(1)