25gの落下 夜明け鳥鳴く頃/秋也
 
は在ったんだよ
俺の連れにも
あんたの連れにもな
ちなみにだ
俺は魂なんて在ろうが無かろうがどうでもいい
鳥籠の入り口が開け放たれて
さっさと鳥が居なくなろうが
ふわふわの羽根が鳥籠ごと風に吹っ飛ばされようが
望むところであり上等だ
ただ俺の中に居る鳥の色
これだけは知っておきたい
俺の中に在る25g賭けたっていい
果たして
俺は左胸に何色の鳥を飼っているのか
名案がある
あんたの鳥と俺の鳥
交換しないか
それでこそ色がやっと分かる
俺の鳥が夕焼けみたいに不安な色ならば
あらゆる後悔はない


25g
子供騙し



左胸
心臓
羽根一枚
ふわふわ

消失
逃亡

鳥の色
大切なのは鳥の色
他愛もない二人
25gの夕焼け
25g抜け落ちそうな夕闇へ
魂不在な夜
羽根漂う


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