ヘンドリックと青い空/オダカズヒコ
だ
この種のトランジット状態を密室で味わう羽目になるのが
ぼくたちが未だ構造さえ描くことのできない都市の姿なのだ
明美とぼくとヘンドリックは
高速を降り下道を走った
ヘンドリックは憤慨して云った
これじゃ2時まで昼飯にありつけないな
お前が高速に乗るって言い出したからいけないんだろ?
バカ言え!俺のせいか?
なんでこんなバカみたいに車ばっかなんだよ!
お盆だからよ
明美が優しく云った
お盆だからな
盆だからなんだって云うんだよ!
ぼくらはあまりにもうるさくヘンドリックが騒ぎ立てるので
近くのセブンイレブンでコーヒーでも飲むことにしたのだ
セブンイレブンの
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