ルル/
竹森
紙を吐いては戻して
出鱈目なインクの放出でぐちゃぐちゃ
になったのは、かなしみ
という感情だけさと
エントロピーが
下水道に渦を巻いて
「打ち上げ花火も」
「流れ星も」
「空から落ちてこなかったけど」
「君が落ちてきた」
「それって」
「素敵な事だと思うの」
ルル、
七月の夜の公園で
君はそう言い、
そしてまた
弛んだ握り拳には
よれよれの線香花火くらいが
丁度良いでしょう
と一本
取り出して
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