海月/瑞海
とても悲しい気持ちに
なった時が前にあって
そこから海を求めるようになった
波の音を聞いて
潮風の香りを感じ
一粒涙を流したら
気がつけば
海に浮かぶ
海月になっていた
動揺するどころか
心が落ち着いていた
冷たく染みる海は
私の還る場所であったと思った
体を水に溶かして
ふわふわと過ごす毎日
ある日の夜
海月の私とよく似ている
満月を見つけた
どの星よりも
あの温かい黄色の光に
惹かれていた
似ているから、とか
黄色だから、とかじゃなく
なんとなく
なんとなく
それに満月になると
大潮になって
もっと近づけ
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