二大銀河間におけるくじら式転生輪唱のすべて/北街かな
 
で気をつけろ
どれだけのたましいでも構わないよとくじらは得意げだ
野山はどうなるのだろうと雪ウサギは沈思したが
だいじょうぶ、いずれみな目を閉じるさとパンダは踊り
熱的死まで遊び続けようと胎児は仄めかし
大宇宙は一向に身を固めぬわけだが
くじらだけは母星が死んでも流星形自己回帰するという話だ

聞いた話によればだけどね
満ち足りて貼りつく次元限界でくじらがボェボェ輪唱してるのさ
超新星のうち鳴らしたシンバルに乗り
死者の足並みがペケペケと合わせられていく
海面と夜の隙間では
最終哺乳類が海水製の楽器を山と積みあげ
未来にも過去にも存分にお届けできますよう
遺伝情報を歌
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