知らない色の空/YAMATOMO
町を買ってくれませんか?
と
しなびた二十世紀梨を手渡されたのは
2045年
近未来と称された期待と絶望
100年の真中あたり
馬鹿さ加減がここに極まったりしてる
透明なほど毒が強いと教えられ
とりあえず汚いモノばかり探してみても
自分から汚くしても意味がないと悟ったのは
たしか20も後半の頃
俺が思ってる以上に世界はしなびて
泣けないほどひからびて
かじってもシャリッ
って音はなかった
目の前に広がる
ドカンともチュドーンとも鳴らない電話を
握り潰すようにして
支配者は最後の晩餐の準備を
死神と共
微笑みながらでるほど
狂った
歯が汚い色をしている
最大級の花火が上がったのは
未明
戦後100年
ああ、この町は終りなんですね?
と
ちょっとはマシなりんごを
シャリッ
と音がしたのは空が紫色を見せている時の事
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