晩夏/AquArium
 
があって

静寂が通り過ぎる、何度も通り過ぎる
湿っぽい空気が交じり合う瞬間
わたしたちは一瞬だけ、世界に赦される気がしている

熱を帯びてどうしようもないあなたを遠くから見ているわたし
それが唯一の正しさで、わたしの中を泳げるあなたの細胞はない
これまでも、これからも、きっと、ずっと


小さく息を吐き
落ちてきた汗の粒
瞼の上で溶けてわたしの涙みたいだった
深夜2時ごろのこと








朝日
夕暮れ
夜明け
一緒に迎えられた尊い夏
あなたも
どうか忘れないで、神様

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