世界のはずれのコテッジで/梅昆布茶
るのには慣れているし
思いついた曲想のままに
古い楽器をならす
部屋の中にしばし音が満ちる
世界のはずれのコテッジで
コンクリートの堅牢さに感謝する
いつも陥穽は待ち構えているが
足踏みばかりはしていられない
経験則のそとがわにある世界は
けっこう魅力的なんだ
とぎれとぎれに太古の微風が吹いてくる
現実にはほとんどコテッジにいないことが多いんだ
意味や目的はまあいいのではないかとおもっている
もっと裾野をひろげても損はしないし
世界のはずれの冷たいコテッジで
氷と炎の大地を読み込む
竹林のなか素朴な工房で
皮革職人が金箔を慎重にプレスしている
世界のはずれのコテッジに
からっぽで豊かな風が吹き抜ける
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