世界のはずれのコテッジで/梅昆布茶
世界のはずれの藁葺きのコテッジで
遠く草原にかかる月をのぞむ
( かつてこの月をめでた青年達が不毛なたたかいで旅立ったことも )
フィヨルドと火山を巡り
カレワラの世界にあそび
シベリウスの旋律を想う
何処ともしれないけれども
樹木のうたが聴こえる
仔馬と僕たちのためのみどりの丘があったりもする
ここは世界を収容する小部屋
ときどき鯨のうたが聴こえたり
オーロラのカーテンがそらにかかったりもする
ここはちょっとあたたかい空気
暁の寺や黄金寺院
メナム川の河口
こまかな水路が縦横にはしる
ここはジンバブエ
思想のはざまのなかで
翻弄されるの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(16)