世界のはずれのコテッジで/梅昆布茶
 
世界のはずれの藁葺きのコテッジで
遠く草原にかかる月をのぞむ
( かつてこの月をめでた青年達が不毛なたたかいで旅立ったことも )

フィヨルドと火山を巡り
カレワラの世界にあそび
シベリウスの旋律を想う

何処ともしれないけれども
樹木のうたが聴こえる
仔馬と僕たちのためのみどりの丘があったりもする

ここは世界を収容する小部屋

ときどき鯨のうたが聴こえたり
オーロラのカーテンがそらにかかったりもする

ここはちょっとあたたかい空気
暁の寺や黄金寺院
メナム川の河口
こまかな水路が縦横にはしる

ここはジンバブエ
思想のはざまのなかで
翻弄されるの
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