遠くへ行きたい/nemaru
 

よれよれのシャツの日にも

久しぶりだったが
おやじと母の出身地を
ひっくり返しただけで
あとは正確に覚えてくれていた
その続きを尋ねられ
知らない
知ろうともしない

それはそれで大変そう
と言った
おまえに
そのお返しを
しなかったのが悔やまれり

腹の底から
どうでもいい
女の子に
キヨスクのご当地キティちゃんを
あげる

とほほ顔の
中間管理職の
筋肉が駆け巡る野山や女

なにもかも
喉の奥で
ぽしゃらせざるを得ない
すっぽ抜けた空気だけが共感できる

また
幕末の話がしたい
るろうに剣心の話がしたい

さぁ

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