遠くへ行きたい/nemaru
 
んような
ドライアイスみたいな高揚感
しょったまま
みんな
帰っていく
疑いきれないし
信じきれもしないまま
表向き
くっつけた気になりながら
ないと思いながら
そんな人達の前で
自分だけは
なんとか
やりおおせた自信だけが残り
つまり残らない
栞のように
挟ん挟んで挟んできて
実は
挟まれてたかもしれない
信号待ちの思案
右折待ちの車に
よれよれの蛇みたいな白線が映り込んでいる
ヤマトレディが帽子の後ろから
茶髪のポニーテールを揺らしている
別の生き物
夏の自転車の漕ぎ方で
若い娘が尻を浮かせていて
入道雲が発達せざるを得ない
配電盤の上に
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