ユートピア/竹森
経ったのかを訊いているんだ。君がひとつの詩を書いてそれからまた詩を書くまでのスパンは日に日に広がっている。詩はもう書くというより、君にとって日々の生活で蓄積された埃を箒で掃く掃除のようなものといった方が適切なのかもしれない。君。君はあの頃のように詩を書かなくなってからもうどれくらい経つ。あの頃の詩作の動機や方法や想いや犠牲が未だ君の中で詩作の定義となっているのなら、君は今の詩作を何と定義し、何と呼んでいるんだ。新しい言葉を求めて痩せ細っていく君を見て、同じように痩せ細っていった私。互いに慰めの言葉を投げ合いながら、その実心の中では蔑み合っていたこと。
久しぶりに君のブログを覗いたよ。君は君に訪れた新しい生活を書き留めていたね。私はこれから君に思いつく限りの素敵な言葉を贈りながら、それでも君を憎むことがないのだなんて―――。
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