父へ/川瀬杏香
 

自分に厳しい人でした

肩車をしてくれて詰め将棋で負けてくれた
大好きな車を一緒に洗車した時
家族で日帰り旅行中、道を尋ねて
いつの間にか尋ねた相手と話し込んでいたり
社交的なところも

わたしは受け継いでいるのでしょうか
今はさっぱり分かりませんが

あの日、お父さんなんて大っ嫌い
死ねばいいのに
なんて言って、ごめんなさい

子供心に、そう言わなければ母に見捨てられ
生きていけないと思いました
どちらにしても母とは、心は離れたのだけど

この気持ちさえ、何時か昇華出来る日が来て
わたし自身も含め
すべてを許せるようになる日が来るのでしょうか


2015/07/07
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