解離/たけし
 
裸体の抱擁愛撫
恐怖に貫かれたぼくの意識がほどけ
性交の仕方は解らなかったけれど
幼い舌と舌を草むらで濃密に絡め合ってるだけで
ぼくの悪夢の自己意識は恍惚と蕩けた>

いつしか親密な繋がり
は、
断たれてしまった
からこそ、
形骸化した情慾は今
妄念と化し時に荒れ狂う


お経を唱え続けている
政治家や坊主や資本家たち

純白に光る布団に荒い息をして立ち上がる私は
意識が魂が未だに肉にうまく嵌め込まれないでいる
のか
既に魂が肉から離れてしまったのか


膜の向こうの世界では雨が降り続け
お経は止まない

鉛の味の遠い遠い意識

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