言葉/梅昆布茶
社会って変化の集積だ
自分さえも変化する
誰も待っていない隙間でギターを弾く
いつもの居酒屋で借りた古いガット弦の置きものだが
たった一回だけゆきずりの娘さんから感謝をいただいた
誰も愛を自由には獲得できない
誰も愛を操作できない
いいんだいつまでも彼女で
それが素敵なんだ
失うことを哀しまないで
それは普通のこと
いつでもつきまとうできごとにすぎない
ぼくはモラルアドバイザーにはなれないだろう
太陽の表面に白班や黒点があるようにいつも異物を孕んで
ぼそぼそと人生をつぶやくだけなんだから
野菊がいつか鋭く美しい刺をもつ薔薇になる
そんな変化はいつもあることなんでたいして影響はないさ
ぼくはいつも通り野蛮でそして
あたらしくて古い言葉をさがしている
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