歯磨き/アラガイs
 

窓を少し開けて鏡の中を覗き込む
壁と中途半端な景色に私の顔が重なる
「今朝も生きているのだ」と思えば、
、また嫌な気分になる
それはそうと、口を大きく開けて鏡を見るのは勇気がいるのだ
虫に食い荒らされた穴の中にはもうひとり仲間が潜んで居て
それは石器時代から生き続けている仲間さんだろう
今日も明日もずっとおとなしく死んでいて欲しいものだが、
、そうも逝くまいと食い物を待ち続けている
トマトやレタスじゃ物足りない
「甘いのか辛いのか」
はっきりさせてくれよ、
、なんて見て見ない素振りをされるとアタマに血がのぼるから
それでも、しばらく留守にしていると、穴の入
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