森の奥にロープを持っていって!/まきしむ
 
の中で
透き通った水が肌にはりついて
見たこともない魚が見える
聞いたことも無い音が聞こえる
役割を与えてほしかった
何も考える必要が無い
薄日が射している
暖かい水に包まれて

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森の中
僕の生はこれでおしまい
止まったまま進む農具のようでした
苦しかったです 
それも楽しかった
あえていえば
美しかったかもしれない
満たされない
報われない人々が行進している
ザッザッザッと音をたてて
太陽の方に向かって
砂漠を歩いています
懐かしい思い出も
一つ一つ落として
僕の顔がだんだん薄くなる
少しずつ忘れていく
空気の中に溶けてゆく
楽しかったね 僕の命
少しは何かの役に立ったかな

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