海/梅昆布茶
 
こころに海が在る
潮騒もときどききこえてくるし

いつかのくちづけも
深いうみの香りだった

瞳にうつる雲をとらえようとしても
いつのまにかかぜに溶けてしまうから

つねに移ろうものに自分を仮託してはいけないのかもしれない

変わろうとするものを誰もとどめられない

自分の蓄積された年月は書き換えられない

いままで永遠という刻印はみたことがない

だからあえて誓うのかもしれないのだが

じぶんの両耳をふさいでみると心音がきこえる

それは自分のなかの潮騒だとおもう

死ぬまで鼓動するこころのうみなのだろう



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