愛歌・序章《春》 こんがらかったきみの髪に/南無一
こんがらかったきみの髪に
巻きつかれたぼくの指で
ふたりの悲しみを
解いてみよう
いろんなところで道草をくい
いろんなところで道に迷いながら
いま やっと きみに辿りつけた
これまでのぼくに生き方が
間違っていなかったことに
きみに遭えて 気付いた
こんがらかったきみの髪に
巻きつかれたぼくの指で
ふたりの大切な夢を
描いてみよう
四月のお日さまは とても
あったかくって
やわらかなひかりで
きみとぼくを抱え込んでいる
きみのニキビだらけの頬っぺたは
いつ ぼくのものに なるんだろう
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