カリン/
ガト
買い物の帰り道
初夏の夕暮れ
不意に
昔飼ってた猫を思い出して
小さな声で
名前を呼んだ
「カリン」
時々呼ばれるその名前は
雑踏に汚されることなく
天へと昇っていく
声に出すことで、いつも
あの子には聞こえる気がした
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