ロコモティブ/梅昆布茶
 
雨上がりのそら
草原に敷かれた鉄路
長大な貨車を曳く機関車が
ゆっくりと風景をよこぎってゆく

産業革命をささえた心臓が
風景のなかで鼓動している

そんないまではめったに在り得ないシーン

やはりじぶんの鼓動に近いリズムについ共感してしまう
あなたとのリズムはどうだったのだろうか

窓のない部屋は独房のようできらいだし
窓をあけない部屋もとても冷たい

窓をあけて風をとおす
陽光が散乱した部屋を満たしたら

荷物を整理して
切符を買おうと想う

まだ機関車が在る時代に
戻る   Point(12)