自我像/十七歳/かんな
 
りの中で一つだけ接続を試みる
愛や恋を叫んでしまう脆さ
そして生きていくことから避難する

海を眺めたまま空に青さについてきく
あの夏わたしは太陽に向かって黄色く咲いていた
クレヨンで描く下手くそな風景画が眩しい

季節の指結びをいつまでも固くしばりつけた樹木に
かたくなな耳を触れさせて声をきく
根からそのてっぺんへと走り出す水のあどけなさを
残したまま葉から空気に溶けた蒸気を追う
樹皮の匂いを抱いて風に流せば
腕を広げて手放したものの大きさをはかる
ありのままでいたいとささやいた自然をなでる
ふりかえるきせつふりむきざまのかまいたち
きれいごとが生まれた海の上流に
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