黒犬/opus
を喰らった
犬は気付くと
家の中で気を失っていた
傍に蝋を失くした
薄汚い蝋燭立てが置いてあった
犬は家の外へ出た
そこには湖がある
湖に近づきその水を飲む
ふと思う
「ここは何処だ?」
周囲を見渡す
そこは岩場で周囲を
高い崖が覆っていた
空には
燦々と照りつける太陽が
犬は昨晩を思い出そうとした
しかし、何も思い出せない
そこには圧倒的な何かがあったが、
それが何だったのか、
それはどういったもので、
どう干渉されたのか、
そういったもの全て、何も思い出せなかった
犬は
恐らくここまで向かって来たであろう
道を振り返る
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