祈り/ソリッド町子
 
いに
このダイヤモンドを撒こうか
星のように 埃のように 砂粒のように
高速道路のライト マンションの明かり?
そんな街の一部になるように
君の背中に向かって僕は言葉にならない祈りの残骸を投げる
伝えたいときにはいつでもだいたい遅すぎる
今夜僕もここを離れよう
みんながそれぞれ落としていった涙の粒を拾い上げて
どうしようか迷って結局燃えるゴミ袋に入れた
今抱きしめたい!

さよなら
眠りに落ちる前に君のことを考えていた
この部屋を出ていってもう二度と戻ってこなかったもののことを
僕たちの窓の外にはいつでも夏の青い空があってさ
そこには輪郭の濃い白い雲がただ浮かんでいた
君はいつでもそれをじっと見ていたんだ
見ている君を僕は見ていたんだ
さよなら
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