おそれのソネット/
やまうちあつし
私は恐れる
あなたがいないことを
あらゆる色が黒ずんで
呆ける、まるで雲のように
どこにも秘密はない
偶然鍵穴があいているだけ
いくつさしこんだろう
時には思い出をまさぐって
届かない、と思ってしまうと
たちまちメッキで覆われる
私の裸足
だから孤独の色は銀
私は畏れる
あなたがいることを
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