FLY HIGH/ヒヤシンス
 

天へと続く魂の道
自由さえ選ぶことの出来る大望

カーテンを開けるとすずめが一羽ベランダに落ちていた
茶柱が立った熱い湯呑に口をつけながら
瞳は湛えていなければならなかった
夢のお告げのような「自由」が古傷に鼓動を与える
孤独で顔を洗え 仕掛ける前の儀式のように

出港する日の朝
私は君に長い手紙を書いていた
それはとても私的なもの
それ以上の事は言えない
なぜなら翔ぶための前触れだから

机上を飛び交う便箋の数々は
尊い人達の囁きだった
いまや彼らはこの部屋を飛び出して
山へ海へと旅立っていった
里に残った私は独り厳かに旅支度を始める

凪が見ている 
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