色覚と怠惰/初谷むい
がうごいてゆく。
嗜好品にかねをだしたり、ころころ転がったりしていないと
いちにちがおわらない気がして、ぼくはきみにメールをうったり、
かわいらしく「、」の多いきみのメールを読みなおしたりして
じぶんのくるしくなさを確かめたりする。とても
しあわせなぼくは戦争映画も、悲恋の映画もみないし、よくわらう。
安心な毎日を台無しにされたくて、きみにメールをうつのです。
ばかだといって、悪口を言って、きみにもぜつぼうしてほしい。
そのときの、きみのほっぺをみたくって、ぼくときみは
たぶんともだちでいるのだとおもう。
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