かわりめ/ねなぎ
 

四季の間は
言葉に出来ず

続いていく
日常を
区切る

言葉を探す

暁を覚えないのは
全てが曖昧だから

そろそろ
春だと言うのに
咳が止まらない

この身
鬱屈として
固く
形成され

境を忘れているのは
判別が出来ないから

もうすぐ
春なのに
震えが止まらない

鬱蒼として
なお
溢れるように
漏れて

自分を思い出せないのは
世界を忘れているから

気がつけば
春なのに
何処かしらが痺れたまま

鬱結した
声を上げて
揺れるように
揺蕩う

言葉で固めないと
溢れてしまうから
言葉で止めないと
流れてしまうから

区切られず
形を成さず
固まらない季節に
塊が沈んだまま
戻る   Point(2)