未来/アンテ
 
でいるのは
あれは
夜の瞳なのです
最後まで見届ける覚悟がないから
開いたり
閉じたりするんです
だなーんて

危ない危ない

夜の表面には
文字で書いてあるわけではないのに
みんな夜だと知っています
街の人々
他人
の顔を
じっと見たことがありますか

一年後
男は飛行機乗りになって帰ってきました
雲で空に文字を描きました
けれど街は小さすぎて
飛行機が降りられる場所はありません
ぐるぐる ぐる
男の飛行機は旋回しつづけました
家々の煙突から
煙がたちのぼっていました
ぬくぬくとたちのぼっていました

その後
燃料が切れて飛行機が墜落したのか
地面と飛行機をロープで結んで
遊園地のようにぐるぐる回ったのか
別の大きな街を見つけて飛び去ったのか
それは
まだ決まっていません

それは
未来のことですから




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