雪の瞳に映るのは/石瀬琳々
 

   愛を知っている?その澄んだ目で語りかける
   今はもう遠くなってしまった胸の炎に


雪の瞳に映るのは
空にのびた木立
もうすぐやって来るはずの影


   少年は犬と戯れる
   息もはずんで嬉しそうに
   愛を知っている、そっと囁いて駆けていった
   やがて白く埋めつくされるこの道の明日を


雪の瞳に映るのは
誰かの声
誰かの笑い声





戻る   Point(9)