雪の瞳に映るのは/
石瀬琳々
愛を知っている?その澄んだ目で語りかける
今はもう遠くなってしまった胸の炎に
雪の瞳に映るのは
空にのびた木立
もうすぐやって来るはずの影
少年は犬と戯れる
息もはずんで嬉しそうに
愛を知っている、そっと囁いて駆けていった
やがて白く埋めつくされるこの道の明日を
雪の瞳に映るのは
誰かの声
誰かの笑い声
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