屋上庭園(台本版)/細川ゆかり
 
な感情もつほど興味ねぇよ」
少女「そう?あたしはあなたのこと、好きよ」
男 「は?」
少女「だって、引き止めてくれたから」
男 「それは・・・」
少女「目の前で死なれたら気分悪いから?身体が勝手に動いた?昔を思い出した?それとも」
男 「・・・それとも?」
少女「自分が死ねなくなるから?」
男 「・・・・・・」
少女「・・・・・・正解?」
男 「違ぇーよ。全然」
少女「なんだ、違うのか。残念」
男 「残念って・・・」
少女「だって、あなたが死にたくて、死のうとして、でも死ねなくて。それであたしが引き止めた
ら、あなたもあたしのこと好きになってくれるかな、って」
男 「
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